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タニザワブログ
2010年07月15日

桃農家中沢農園訪問記(後編)

今回は、桃農家の中沢義直さんを紹介したいと思います。
中沢さんは、毎年美味しい桃を出荷して下さっています。

6月5日(土)に、中沢さんの桃の生産地、山梨県笛吹市を訪問しました。

以下の文章は、今回参加した社員のレポートです。
前編と後編に分かれた長編となっていますが、ご覧になってみてください。


今回は、後編です。


<お客さんの、三つの満足のために、本物を食べてもらいたいために桃を作る>

中沢さんは四六時中桃のことを考えていると先ほど書いたが、
正確には桃を食べるお客さんのことを考えている、
といったほうがよいかもしれない。

一般市販の桃は、糖度は10度から11度くらい。
雨の多いときは10度以下になってしまう。
中沢さんの桃は、雨の多いときでも13~14度になる。

中沢さん:「どんな天気のときでも(糖度は)14度以上欲しい。
      さらに2度高いと味が違う。」

どうやら中沢さんの、糖度の目標は16度以上というかなり高いレベルだ。

中沢さん:「人の心を動かすのは難しい。人の心をつかむのは難しい。
      それができたらすばらしい。それが信頼関係。」

決して派手なことではなく、50年間毎年堆肥を入れて続けてきた土作り、
剪定(せんてい)、管理、適正な量、そのような要素が総合的に絡んで
糖度が上がる。

天候をはじめとする外的条件を言い訳にせず、
地道な日々の積み重ねがお客様に感動を与える桃作りにつながる。

中沢さん:「届いて箱を開けたときの立派さに満足、
      持ってみてずっしりとして満足、食べてみてそのおいしさに満足、
      その三つの満足をお届けしたい。」

中沢さんの信念ともいえるこの言葉は、以前にも聞いたことがあるが、
そのために行っている様々なことを改めて伺いずっしりと重さを感じた。

白鳳、白桃の木を拝見し、その台木となる山桃の木を見ながら話を伺っていたら
もう午後の7時半近くになり、笛吹の盆地は薄墨のようなヴェールに覆われていた。
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<奥様の、心づくしの手料理の歓待>

お宅に戻ると恒例の奥様の手料理が私たちを迎えてくれた。
近くで採ってこられたタラの芽のてんぷら、タレの味噌が絶品の茄子の料理、
カブのお漬物、そして中沢さん宅の名物、巨大なぼた餅や、お鮨などなど。
中沢さんの忙しい時間を割いての話や、いつも上品な奥様のおもてなしの心に触れて、今年も一人でも多くのお客様にこの本物中の本物の桃をお届けしたいと決意を新たにして、中沢さん宅をおいとました。
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<追記-桃栗三年柿八年>
今年の新入社員と一緒に、産地訪問研修もかねて中沢さんのお宅にお邪魔したが、3人それぞれ個性が出ていてよかった。
最初に中沢さんの、尼子家の話のきっかけになったH君。もう少し落ち着きが欲しいが、よく言えば行動的。サッカーで言えば得点王を争うタイプ。中沢さんにもどんどん質問をし、最後には中沢さんに「オーイ島根、聞いているか」といわれていた。
一方寡黙なI君。帰ってきてから書いた訪問研修のレポートは見事に要点を押さえていた。
紅一点のIさん。夕食のときに奥さんが作ってくれたカブのお漬物が気に入って「とても
おいしいですう。」という感激の声に実感がこもっていた。共感力や、味覚に優れているのではないかと感じさせる。
畑の中で中沢さんがおっしゃったこんな言葉が思い出された。

中沢さん:「桃は、3年で実がなるようになる。その後5年目、6年目でよい木かどうか判定し、淘汰すべきものは淘汰する。君たちも、まずは、3年は当たり前、その後5年目で、ちゃんと会社に残れるようにしないとね。」
ソフトな言い回しだが、内容はなかなか厳しい。
5年後3人とも良い桃の木のように育っていて欲しい。
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ブログ筆者KT