渡辺水産さんの事務所です。出雲は暖流と寒流がぶつかる場所で、おいしい魚を獲ることができます。
今月は、島根県出雲市にある渡辺水産さんを紹介いたします。いつも渡辺水産さんからは、カレイやのどぐろなどの干物を送ってもらっています。先月の2月21日に、お伺いして工場を見学させていただきました。
今回の訪問で、干物の製造は、非常に奥が深く難しいもので、単純に、いい鮮魚をいい塩を使って干せば出来るというものではないのだということが、よくわかりました。
渡辺水産さんの干物の、一番の特徴は、やはり原料の魚の良さです。これにはいくつかのポイントがありますが、まず原料の買付けのノウハウが凄いと思いました。創業以来40年にもわたる長年のデータの蓄積で、いつの時期のどの船の魚の質が良かったかを、全部記録として残し、船を指定して魚を買付けるのだそうです。
もう一つのポイントは、魚の買付けの時期を、徹底的に"旬"にこだわるということです。長い期間取れる魚も、一番脂の乗ったおいしい時期のものしか、干物にしないのです。しかも年によって旬の時期がずれることもありますので、単純ではありません。ですから、魚の状態を日頃からチェックして、ここだ!というときに一気に買付けるのです。
これ以外にも、山陰沖の豊かな漁場、原料の状態で塩分濃度を調整する高度な技術、干物の乾燥時間の長さなど、おいしい干物の秘密は、お伝えしきれない程あります。
こうした、生産者のこだわりと努力で、新鮮で甘味と旨みがあり、しっかりとした歯ごたえの美味しい干物が出来るのだと思いました。今後も、是非、渡辺水産の"旬"の干物をお楽しみください! (タニザワ通信06年3月号より)
すぐ前には海が広がり、小型の船で
漁に出て少量ずつ獲り、新鮮なうち
に魚をさばくいていくそうです。
乾燥機の中で除々に魚を干していきます。 干物に使う魚をさばいているところです。 身が乾かないように数回に分けて少量ずつ さばいていきます。
左上から時計周りに「甘鯛の開き」 事務所には扱っている魚の種類と特徴がチ「のどぐろの開き」「カレイの一夜 ラシになって飾られていました。
干し」「アジの開き」です。